Youtube,LLCなどLLCを相手とする場合の注意

我が国の裁判制度では、法人を相手方とする場合、

  • 名称
  • 所在地
  • 代表者氏名

が記載された資格証明書を添付することが求められています。

しかし、諸外国の登記・登録制度の中には、当然ながら我が国の裁判制度と合致していないものもあり、上記のような情報が記載された証明書が発行されない(そもそも登記・登録事項ではない)という場合もあります。

中でも、YoutubeやTripAdvisorなど米国LLC法人を相手に裁判を申し立てようとする場合には、一工夫が必要です。

LLC制度では、法人の代表権を持つ者について登記事項としない形態が認められています。
そのため、そのような形態を採用する法人の場合、公的機関から証明書を取得しても代表者の氏名は表記されていません(例:TripAdvisor)。
このような場合、相手方法人のウェブサイトやその他の情報から代表者を疎明し、これを資格証明の参考資料として裁判所に提出する必要があります。

また、LLCの社員や代表者には法人もなることが可能です。
法人が代表権を持っているLLC法人の場合、資格証明書の代表者欄には、代表権を持つ法人の名称が記載されています。
この場合、我が国の裁判制度では、実際に行為を行う自然人を代表者として表記することが求められているため、
LLCの代表権を持つ法人の代表権を有する自然人の名称まで表記することが必要となり、またその資格証明も必要となります。

このような二段階の資格証明が必要となるのがYoutube,LLCです。
Youtube,LLCの代表者はGoogle,Incとなっているため、Youtube,LLCを相手に裁判を行う場合、Youtube,LLCとGoogle,LLCの資格証明書を添付する必要があります。
Youtube,LLC相手の裁判をお考えの場合には、Google,LLCの資格証明書のご用意もお忘れなきようご注意ください。